大熊杉山神社

所在地 神奈川県横浜市都筑区大熊町497
都筑区の歴博付近を源流とし川向で鶴見川と合流する大熊川が台地を削って残された右岸南側の小高い丘の上に神社があります。周囲は畑で、境内は遊具のある公園ともなっており、訪れるたびに癒される神社です。
以前は、一之鳥居前[2]に明治二十七(1894)年 飯島吉六作の幟旗竿があったのですが、平成二十六(2014)年の再建で撤去されてしまいました。周囲を探したのですが、残材も確認できませんでした。

狛犬

奉献/建立 明治十四年一月[1881年1月]
石工銘 神奈川 岸文吉
狛犬タイプ 尾流れ(左:子,右:子2)
右に2匹、左に1匹子狛がいますが、いずれも動き・表情とも見事な造形です。やや膨らんだ頬と大きな伏せ耳、ちょっと抜けた顔の子狛などは、岸の狛犬の特徴が良く出ています。
とはいえ、これがほぼ同時期の小金井神社の狛犬(慶雲作)とよく似ているのが謎です。

石燈籠

奉献/建立 明治十四年一月[1881年1月]
石工銘 神奈川 岸文吉
狛犬と同時期に同じ石工によって作成されています。竿部が極端に細く、大きな傘部と合わせ絶妙のバランスと言えます。

石水盤

奉献/建立 慶應二丙寅七月[1866年7月]
石工銘 綱嶌橋 三五郎
拝殿前の参道右手に置かれており、正面に「洗心」とあります。『綱島橋』は現在綱島と樽町を結んで鶴見川にかかっている大綱橋の先代だったようです[4]
石工の三五郎は、綱島諏訪神社の石水盤や諏訪宮東門碑を作成した石工(吉原三五郎)と同一人物かも知れません。

鳥居台座

奉献/建立 不明
石工銘 靏見村 飯嶋吉六
境内社の脇に残欠群が置かれ、その中に吉六の銘の入った鳥居台座があります。横に鳥居脚も埋まっていますが、建立年などは確認できませんでした。狐像が一緒に置いてありますが、これも吉六作でしょうか?