下祖師谷神明社

所在地 東京都世田谷区祖師谷5丁目1−7
上祖師谷神社から東南方向で仙川を挟んで約1.5kmの距離、小田急祖師谷駅から北へ約 1kmの距離にあります。周囲は住宅密集地ですが、広い境内と木々の緑がそれを感じさせません。

狛犬

奉献/建立 昭和六年十一月[1931年11月]
石工銘 登戸 吉澤耕石
狛犬タイプ 尾流れ(左:珠,右:子)
3年前の細山神明社の狛犬と表情は似ていますが、やや劣化した印象を受けてしまいます。しかし、子狛が上体を反らして親狛を見上げるような姿は、他では見られない造形となっています。
明らかに本体と台座の石質が異なるため、台座は後世に(恐らく同じ吉澤耕石の手によって)再建され、銘は先代のものを復元したと思われます。

石水盤

奉献/建立 (嘉永)四辛亥六(月)[1851年6月]
石工銘 登戸 吉沢光信
右側狛犬の奥に古い手水舎があり、そこに先代の石水盤が置かれていました。正面の狛犬と牡丹のレリーフが見事です。
背面の石工銘は読みとれましたが、側面の建立年麺は「四辛亥」と「六」しか読めません。吉沢光信が作品を残した年代から考えて『嘉永四(1851)年』と推定しています。(明治四十四(1911)年では遅すぎるので)、

石燈籠

奉献/建立 嘉永二酉年十一月[1849年11月]
石工銘 新宿追分 甚蔵
参道両脇、狛犬の手前に置かれています。先代石水盤と年代が近く、同様に台座に凝った貯穀が施されています。

御大典記念樹碑

奉献/建立 大正四年十一月[1915年11月]
石工銘 二子 石庄
拝殿右側に境内社(祖霊社)があり、その正面左横に御大典記念の石碑が3基 参道を向いて置かれています。その左端の石碑に「二子 石庄」の石工銘がありますが、「二子」という地名と「庄」から「小俣庄右衛門」を指していると推測しています。
※大正四年に大正天皇の即位大礼(御大典)が行われています。

神社碑

奉献/建立 明治二十九年十二月[1896年12月]
石工銘 三軒茶屋 高橋春五郎
境内社のさらに右側に置かれている碑です。碑のタイトルが無いので碑文からの推測ですが、神社の改修紀念碑のようで、背面には寄附金を出した人の名前が列挙されています。

日露戦役慰霊碑

奉献/建立 明治三十九年四月[1906年4月]
石工銘 高津村字二子 小俣庄右ェ門
境内社の右側に置かれています。この碑にも表題がありませんが、碑文内容と背面に出征者の名簿があることから、日露戦役従軍者への慰霊碑と思われます。

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