妙法寺

所在地 神奈川県川崎市高津区久末375番地
下末吉台地を東へ流れてきた有馬川が、北へ向きを変える所の右岸(東側)の丘陵斜面に寺院があります。
境内には、蓮花寺の宝篋印塔とともに久末義民の遺徳を偲ぶ地蔵尊が置かれています。

歌碑

奉献/建立 昭和三十四年三月[1890年7月]
石工銘 烏山町 耕石
久末義民地蔵堂の左横に置かれています。中央の「義乃魂」は読めるので、恐らく久末義民を詠んだ歌と思われますが、残念ながら他に情報がありませんでした。
吉澤耕石の銘には通常「登戸」が付きますが、ここでは「烏山町」が付いています。「俳友」という文字もあり、同じく「烏山」が付いている西方寺の俳壇記念碑と共通する点があります。

篠塚地蔵尊(線彫り地蔵)

奉献/建立 明治二十三年七月[1890年7月]
石工銘 内藤慶雲
本堂前左手(南側)に立っている三体の線彫り仏の左端の仏像です。
像上部に「篠塚地蔵尊」と彫られ、左右に童子を連れた地蔵像が彫られています。また、左下に小さく石工銘も確認できました。

線彫り如来

奉献/建立 明治三十年十月[1897年10月]
石工銘 内藤慶雲
本堂前左手(南側)に立っている三体の線彫り仏の右端の仏像です。
「横浜市文化財調査報告書17」では「地蔵」となっていますが、螺髪があり、後光が表現されていることから、阿弥陀如来と思われます。

線彫り地蔵

奉献/建立 明治三十一年九月[1898年9月]
石工銘 不明
本堂前左手(南側)に立っている三体の線彫り仏の真ん中の仏像です。細長い板石に、地蔵像のみ彫られており、背面には「富國強兵/外國恐順」ともあり、時代を感じさせます。
建立年が近いことからこれも慶雲作と思われるのですが、石工銘は確認できませんでした。