狛犬と石工の世界
鶴見川と多摩川の流域を訪ねて
江戸尾流れ、吉六、慶雲・・
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汁守神社
所在地
神奈川県川崎市麻生区黒川1
小田急黒川駅から西へ鶴川街道を進んだ先の、少し小高い丘の上に鎮座しています。周囲には木々に囲まれ、静謐な雰囲気です。
狛犬
奉献/建立
明治十五年午二月[1882年2月]
石工銘
(内藤留五郎)
狛犬タイプ
尾流れ(左:子,右:子2)
石工銘があったはずの右側台座が剥落しているため、断定は難しいのですが、同時期の石水盤、石燈籠が内藤留五郎の作であることから、同じ石工の作とみるのが自然と判断しています。
(こちらのサイト
[3]
でも同じ見立てでした)
左側の子狛の頭上で足を止めている様子や、右側の子狛同士のじゃれあいなど、初代慶雲らしい見事な造形だと思います。
石水盤
奉献/建立
明治十五年壬午二月[1882年2月]
石工銘
溝ノ口 內藤留五郎
内藤慶雲初代留五郎の作です。下にある「がまん様」はおそらく後世の作と思われます。
石燈籠
奉献/建立
明治十有五秊壬午二月[1882年2月]
石工銘
溝ノ口 內藤留五郎
階段参道登ってすぐのところに立っています。傘が大きく、キャスター脚が付いているところは
鹿島大神の石燈籠
とよく似ています。
地神塔
奉献/建立
文久三■歳在癸亥秋八月[1863年8月]
石工銘
不明
拝殿の右奥の木々の間に立っています。正面に「地神齊」とあり、齋(とき)は神仏の食事を意味し
[5]
「汁」の名を持つ神社の由来と関係があるようです。
道路改修記念碑
奉献/建立
昭和十年九月[1935年9月]
石工銘
登戸 吉澤耕石
神社に登る階段の右横に立てられています。「昭和五年に鶴川街道の改修が行われ直線的な道路に拡幅された
[4]
」とのことなので、それを記念した碑のようです。
参考にさせていただいたリンク
むさしの散歩日記:汁守神社
神社探訪・狛犬見聞録:汁守神社
色覚異常者の絵画サイト:伊豆美の狛(いずみのこま)と内藤慶雲
稲城市教育委員会:鶴川街道と大山道
タウンニュース:シリーズ「麻生の歴史を探る」民間信仰(2)石造物〜地神塔 後編